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TOP > LEDEAL 美容ブログ > 「なぜスタイル撮影、なぜ作品を作るべきか?」

「なぜスタイル撮影、なぜ作品を作るべきか?」

サロンプランナー ALFARE 阪口氏 コラム 第2回

これまで数多くのサロン様、美容師さんと講習などを行い、サロンプランナーとして活躍してきたALFARE 代表 阪口氏。

 

独自の視点でこれまで多くのサロン様へのブランディング、スタイル撮影のポイントをレクチャーするなど多岐にわたり幅広い活躍。

 

数回に渡ってこれまで携わってきた多くの経験を元にコラム記事を掲載していきます。

 

第1回コラムはこちら「姿勢を見ればコンプレックスが分かる」

 

第2回は「なぜスタイル撮影、なぜ作品を作るべきか?」をお届けいたします。

 

サロン様、美容師さんに役立つ情報となれば嬉しく思います。

 

是非ご覧ください。

 

「なぜスタイル撮影、なぜ作品を作るべきか?」

コラムをご覧の皆さま

 

株式会社ALFARE(アルファーレ)代表の阪口と申します。今回もよろしくお願い申し上げます。

 

自粛や規制といった単語がキーワードになった4月ですが、5月はどう推移していくのでしょうか。

 

ひとつ言えることは、このような状況下でも毎日お客様が足を運んでくださる。こんなにありがたいことはありません。

 

ですからアフターコロナの世界でも、これまでと同じような、変わらない日常を演出してお迎えすることも、プロフェッショナル美容師としての役割では無いでしょうか。

 

不安な世の中だからこそ、美容室に来た時くらい、目一杯くつろいでいただく。

 

そして美容師として、目の前のお客様との向かい合いを大事にしていただきたいと思います。

 

サロンでの撮影の必要性

理美容室はその場所から動けないので、まずは他人にその存在を知っていただく必要があります。

 

ですが単に撮影をすれば良いというわけではありません。

 

スタイル撮影が良いのか?

 

クリエイティブ撮影が良いのか?

 

お客様スナップ撮影が良いのか?

 

それは自店に合ったものを選択されるのがベターかとは思いますが、そもそも一番アピールすべきは、サロンであると私は考えます。

 

“この空間にお客様をお迎えしたい”

 

”この空間で自店の素晴らしいスタッフ達に技術やセンスを奮って欲しい”

 

サロンオーナーは、この想いが強いのでは無いかと思いますが、その空間を知っていただくにも、まずは足を運んでいただかないと成り立たないビジネスです。そのためにはツールが必要になります。

 

内装、外観と同様に、自店らしさを他人が見てすぐに「どのようなジャンル」「どのようなスタイル」を推しているのかを知ってもらう必要がある。

 

それが撮影をした方が良い理由です。

 

店内に入るまで、そのお店のイメージが分からない美容室は、お客様からすれば色々な意味でドキドキの対象になります。

 

ですから、モデルを使っての撮影が苦手なサロンには、内装や外観をアピールすることも、一つの方法ではあるかもしません。

 

特にアフターコロナの世界では、新しい美容室を探しまわるより、これまで行ったことのある美容室へ。という安心感優先の考え方が、より強くなる可能性が高くなると思います。

 

自粛期間中に中心地への移動を避け、地元のサロンに初めて訪れたお客様も多いのでは無いかと思います。その際に重要になるのが、これまで行ったサロンの料金帯と、初めて訪れたサロンの料金帯との差が、リターンという結果にどう結びついていくか。

 

つまり、あまり差を感じなかった場合は、近くて安い方が良い。

 

逆にも言えるのが、地元はセンスが良く無いので、やはり中心地が良い。

 

ですから、雰囲気での営業というのは、何かあった時に選ばれなくなってしまう対象になるということです。

 

それだけ日本が平和であったわけですが、これからはそうはいきません。

 

今は営業を再開できたことだけでも大きな前進ですが、もう少し経つとその真価は問われます。

 

ですがコロナウイルスが終息に向かい、アフターコロナの世界ではどれだけクリーンなお店なのか?ということを事細かに発信していくことが、最も有効な手段の一つになるかもしれません。

 

それを理解するにも、まずはサロンに直接足を運ばないといけないわけですから、写真という見て分かる有効手段を使いこなさないのはもったいない話です。

 

いずれもしても言葉だけではなく、見て分かる行為の実行に移す必要があります。

 

撮影をしないデメリット

撮影をしないマイナス理由は、お話しするまでも無く美容室の数の問題です。

 

25万軒の中から選んでいただくにはその場所から動けないサロンは不利と言わざるを得ません。

 

隠れていたいなら話は別ですが、選んでいただかないと成り立たない商売ですから、自己アピールは必要不可欠ですし、それには自店のウリを発信するのが最も効果的です。それには見た目がすべての判断材料になる写真が最適ですから、撮影をしないという選択は大きなデメリットにもなります。

 

人を集め、育て、幅広く認知してもらいたい場合は発信をして、ここに私たちが存在していることを知ってもらうための準備が必要になるわけです。

 

これが同時に撮影をするというデメリットにもなります。

 

つまり撮影をする過程の準備という手間は、撮影をしたことが無いサロン、撮影を好きなスタッフが在籍をしていないサロンにはデメリットにしかなりません。

 

またセンスや技量がハッキリと出てしまう世界でもあるので、発信することで、かえってマイナス評価を得ることも十分にあり得ます。

 

多店舗展開をされるサロンの場合は、店舗によっての技術やセンスレベルの差も出てくるため、発表したスタイルを全員が同じように切れない、作れないという場合も出てきます。発表したスタイルは商品同様ですから、これは結果的にお客様に嘘をつくことになりかねないため、大きなデメリットになってしまいます。

 

イメージというだけなら、大枚を叩いて女優やモデルを使ってすべてプロにお任せしてイメージを買うという考え方も一つの方法ですが、実行できるサロンは限りなく少なくなります。

 

写真というもの

 

自店らしいビジュアルイメージは、全てのサロンブランディングの根幹となります。

 

そもそも鏡は左右が逆に映る特性を持っています。これは現代の科学をもってしても理由が解明されていない謎多きものですが、その逆に映る鏡を見て人は育ち、美容師はその鏡と向き合い仕事をしています。

 

ですが、写真はリアルにそのまま写るため、鏡に映る自分の顔を見慣れた人間にとっては違和感を覚えます。

 

鏡と写真は同じ二次元ですが、相反する性質をもっています。この差を理解しなければ似合わせも撮影も自分本位になってしまうので、サロンスタイル、コンテストスタイルともに他人に理解されない自己満足という結果にも繋がってしまう可能性が高くなります。

 

よくあるのが、動いていると良く見えるが、写真だとそうでは無い。「私は写真写りが良く無い」と言うお話ですが、写真は二次元です。動いている時には目が行き届かなかった顔の特徴的な部分が強調されやすくなります。

 

動いていると視界に映るすべてのものがオブラート材料になりますが、写真はスペースに限りがあるため、写っている1点に集中しやすくなることも特徴部分に目が行きやすい理由の一つです。


↑写真撮影をした場合の本人の通常姿勢beforeと、正面に矯正した姿勢after。鏡ではこの反転になります

 

つまり、動いていると良く見えたが写真にするとそうではなかった。ではその写真が今よりも良くなればきっと動いている時の姿はもっと良く見えるはずです。

 

ですが、その人の特徴に気付けていなければ攻略することは困難になります。

 

そのため、真正面から目の前のお客様の個性に気付くことができれば今よりも似合わせはしやすくなるはずです。そしてその個性に気付いてから施術した後に、写真を撮ることができれば、もっと写真写りは良くなっているはずです。

 

姿勢を良くすることは、それが鏡でも写真でも、もちろん肉眼であっても、今よりも良く見える事実へと繋がります。それが上記のbeforeとafterで見て取れると思いますが、本人の姿勢を正面から正すだけで顔も体も小さく見えますし、何よりも左右のレングス差が生じているのが分かります。これは前回のコラムの続きになってしまいますが、根本は一緒です。

 

全員が異なる他人を相手にするわけですから、カットウィッグのようには参りません。目の前の個性を見極めて切っていかないと、それこそ感覚になってしまいます。

 


↑finishが前回コラムのメソッドを元に施術した写真。姿勢も左右のレングス差も緩和されました

 

上記の写真finishをご覧いただくと、徐々に良くなっているのが見て取れますが、左右のレングス差も大きく緩和され、何よりも頭が顔が小さく見えます。髪が変わっただけで、これだけ顔の見え方が変わります。

 

これは気付かないと実現することは叶いません。そしてこれ以上良くする方法として撮影という手段があります。

 

beforeの段階で撮影をするよりも、finishから雰囲気の撮影をすることで、より見栄えという飛躍を遂げることになります。


↑前回コラム掲載のbeforeとafter。finishではより雰囲気を活かした撮影に展開

 

beforeの段階で撮影をした場合は、カット施術をしていないので、それを見て来店いただいたお客様をセンスでリターンはできたとしても技術的な要素でリターンをすることは難しいかもしれません。

 

finishまでたどり着いた場合は、実際に気付いてカットまでしているわけですから、来られたお客様の個性にも気付ける可能性が増えるのでリターンの可能性がより高くなります。

 

このように、雰囲気のあるモデルさんを使えばbeforeの段階でも角度を付けて撮影をすれば雰囲気としては映えさせることは可能ですが、他のサロンもこのモデルさんを使った場合、髪を切ることができなければ似たような仕上がりになる可能性が高くなるので、自店だけのブランドを発信したいのであればしっかり彼女の特徴に気付いた上でカットを行い、それからメイクや衣装を合わせて撮影をすることで今よりも良く見せることが可能になります。

 

大事なことは、美容室はその場所から動けないので発信をすることですが、単に撮影をすれば良いというわけでは無く、自店らしい技術やセンスを加えた上で取り組むことが肝要です。

 

写真という手段でのリターンでは無く、理由を持ってfinishまでたどり着いてこそ得られる技術能力です。

 

デジタルカメラに推移しスマートフォンが台頭。インスタグラムが登場してから10年以上が経過したわけですから、デジタル配信が当たり前の時代では多くの中から自店を選んでいただかないと意味がありません。

 

ですが、選んでもらったあと、つまり指名と再来が命のこの業界では、次も選んでいただかないことには営業が成り立ちにくいわけです。

 

発信する中身、つまり、発信するまでの過程が大事な取り組みとなります。

 

一過性のものでは無く教育の場でもある美容業界です。先輩から後輩に技術もセンスも受け継がれていく方が、より自店らしい取り組みになりますし、何よりも一貫しているので、他人に伝わりやすくなります。

 

担当者が変わるとサロンの色が変わる

またサロンにおける撮影は、その担当者が中核となるチームでキーになるビジュアルイメージが作られます。

サロンとしてキーを決めるのではなく、担当者の個性によって進行し、決定がなされ、世の中に出るケースが多く、これはサロン代表や他のスタッフがその活動、是非を問うことも無い密室で繰り返されていたりもします。最終的に経営者にその判断が委ねられても他に写真が無い場合は妥協したまま世の中に発表されてしまうことがほとんどです。

 

その結果は技術、ビジュアル思考の強いサロンとのレベルの差は歴然となります。

 

また美容師が何らかの事情で自店を辞めるなど、急に担当者が変わることは日常的ですが、大事な自店のキービジュアルは、ほとんどの場合が上記のように撮影担当者次第であり、その美容師が辞める度に“そのサロンらしい色”が変わってしまう現実の繰り返しとなります。

 

ですから、もし辞める結果になったとしてもそのサロンらしい色が出る教育として、同じような色の人間が常に輩出されていく環境、文化が必要になるわけです。

自店を他人に選んでいただかないと成り立たないことを考えると、自店はどんなジャンルのサロンなのかを、スタッフ全員が知っておく必要があります。

 

コロナと共に生きていく世界での撮影

 

これまではクリエイティブという自分と向き合う自問自答を経ての達成感や、サロンスタイルを発信して自店らしさをアピールする材料としての撮影、ライフワーク的なものがほとんどだったと思います。

 

もう少し時間が経てば意識も変化するとは思いますし、対処法も出てくるかもしれませんが、これまでのように撮影が簡単にいかない可能性があります。その理由はモデルを使うことにあります。

 

人との接触を極端に制限されてしまうアフターコロナの世界では、インスタなどを通じてのモデルオファーが厳しくなっていくと予想します。

 

では、これからの世界はどうなるのか?基本的なことは変わらないと思いますが、これまで撮影を取り組んでこなかった教育型サロン様にもオススメしたいのが、わざわざ足を運んでくださる毎日のお客様を撮影して、そのスナップでファンを広げていくという発信方法です。

 

自店のお客様のスタイルを発信することが、自分たちの技術を発信することに繋がり、こんなスタイルにしたい、こんなカラーを入れたかった、パーマをするのに少し抵抗があったけれど、という不安の解消にも繋がります。

 

顔は写せない。という方も多いとは思いますが、目の前のお客様に自信を持たせる力を持っているかどうかで結果は大きく変わります。

 

誰でもコンプレックスがあり、そのコンプレックスを良い方向に変えることができるのが、美容師という素晴らしい職業です。

 

ですから、この美容室で私はこんなに変わったんだ!という自信を持つことができたお客様を世の中に発信していただきたいと思います。

 

これは撮影が好きとか嫌いだとかの問題ではなく、美容師としての在り方の問題とも言える課題です。

 

自分という技術者を再認識する機会にもなりますし、自分の立ち位置を知るには二次元という、客観視できる撮影の世界はうってつけと言えます。

 

角度や雰囲気に重きを置けば、本質から遠ざかり、正面に近づくほどのハードルは上がってリアルに近付きます。被写体であるモデルはもちろんメイク、衣装などのコーディネートのバランスやセンスも問われます。

 

ですが、これらはお客様の美を追求するという美容本来の仕事です。

 

隣の美容室との違いを今から撮影という手段を使って、改めて自店の立ち位置を考えてみてはいかがでしょうか。

 

次回は「発信をする」をテーマにお話しさせていただきます。

ありがとうございました。

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