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発信をする。撮影をしたスタイルの有効活用、そしてその前に。
サロンプランナー ALFARE 阪口氏 コラム 第3回
これまで数多くのサロン様、美容師さんと講習などを行い、サロンプランナーとして活躍してきたALFARE 代表 阪口氏。
独自の視点でこれまで多くのサロン様へのブランディング、スタイル撮影のポイントをレクチャーするなど多岐にわたり幅広い活躍。
数回に渡ってこれまで携わってきた多くの経験を元にコラム記事を掲載していきます。
第3回コラム「発信する、撮影したスタイルの有効活用」をお届けいたします。
サロン様、美容師さんに役立つ情報となれば嬉しく思います。
是非ご覧ください。
「発信する、撮影したスタイルの有効活用」
コラムをご覧の皆さま
株式会社ALFARE(アルファーレ)代表の阪口と申します。今回もよろしくお願い申し上げます。
街にも少しずつですが活気が戻ってきたように、多くのサロンにもお客様が戻ってきて、中には12月並の忙しさとの声も聞きました。
とは言え、3〜5月にサロンに行くことを我慢をしていただいたお客様が殺到しているだけの話かもしれませんので、毎日忙しいから・・ということに流されていては場当たり的な日常になってしまいます。
だからこそ、これからのサロンの在り方が問われる2020年下半期です。
6月のサロンの現状
ここ数年でリクルート活動のために撮影を取り入れ、SNS等にアップしていたサロンは、現在あまり撮影をしていません。
そういったサロンの多くは「コロナ対策は万全です」という内容をインスタグラムにアップし続けている毎日です。
どれだけ自社のスタッフは頑張っているかという内容の発信を多く見かけます。
これらは社会保険や働き方改革の遵守と同じくらいに当たり前の現在と未来図で、逐一発信をし続ける必要はありますが、それだけでは近隣のサロンとの差を出しにくいと思います。
やはりここでも大事なことは、サロンは技術職の場であるということです。
実際にお店を維持し、運営するには多大な労力を行使しないといけませんが、サロンオーナーは経営者であると共に美容師でもあり、その目線が必要になります。
“そんなこと言ってる場合じゃない!”という風に感じるかもしれませんが、スタッフを雇用してお客様から美容室として認識されている以上は「短くなった」「サッパリした」だけでは、アフターコロナの世界で経済が疲弊していることを考えても、その価格を出す価値が大きく問われます。
これは中心地サロンと郊外サロンのどちらのサロンにも当てはまることですが、3月から5月の自粛期間中、中心地にあるサロンに行けなくなり、地元のサロンに行かざるを得なかった場合、“意外と地元も悪くなかった” という印象をお客様が持ったかどうかで決まります。
そのハードルをより下げてしまったのが、所得の低下という危険性です。
所得の変わらない方もいらっしゃるかとは思いますが、より そのサロンである必要性が問われる時代になったのは間違いありません。
発信をする前にやるべきこと
コロナウイルスの影響で去年と今年では、世の中の事情が異っていることは周知の事実です。
場所や人が異なれば、美容室で髪を切るという同じ事実でもまったく異なるのがサロンという存在です。
だからこそ近隣のサロンとの違いは技術でなければ、他人には伝らないというのが本当のところです。
美容室の商圏は半径約2〜3キロが基本となることから、そのエリアに住んでおられる方がメインターゲットになります。
当然、その商圏の中にはライバルはたくさん存在しています。
要はそのライバルたちよりも、何か優れている部分があれば選ばれる可能性がありますが、仮に優れていなくても生き残って存在しているサロンもたくさん存在するわけです。
それが可能な理由は家賃、人件費などの固定費がどれだけ掛かっているかにもよるので一概に言えませんが、そのサロンの在り方で約25万軒もの店舗が、この日本にはひしめき合っている事実が存在し、和洋中を問わず飲食店舗の数が約65万軒なので、どれだけサロンの数が多いのかもこれでよく分かります。
だからこそ、何でもかんでも発信をするのではなく、自店らしさを発信する必要性があります。自店を選んでもらいたいのに、自店らしいことができていないのは大きな問題です。
スタイル撮影をする際、髪を切れないモデルを使う場合は、ほとんどの美容師はカールアイロンとスタイリング剤をフル活用することしかできず、どの写真を見ても他人が見ればその違いが分かりにくくなってしまいます。
そしてメイクもモデル任せ、服までモデル任せとなってしまったりすると、他のサロンと同じ印象を与えてしまう可能性が高くなります。
これらは仕方のないことなのかもしれませんが、モデルにイメージを伝えきれなかった、納得していただけなかった場合は撮影の過程をしっかり準備できていなかった美容師側の責任と言えます。
とはいえ、撮影をしたことが無いサロンにとっては、まず模倣から入り、撮影を体験することから始まります。しかし、撮影から学ぶことが出来ず、楽しいと思えなければ外部に発信するサロンブランディングに必要な武器がひとつ減ることになってしまうので別の有効な手段を考えなくてはなりません。
この場所に私たちのサロンが存在していることを認知してもらう
美容室はその場所から動けないので、その存在を知っていただくためにも、広く発信をする必要があります。
新規客が欲しいからという理由だけではなく、自店の可能性を広めるためにも発信することが必要です。だからこそ自己満足になりがちなスタイル撮影では無く、何故そのモデルで、何故そのスタイルで、何故その衣装で、何故そのシチュエーションなのかを具体的に準備をする必要があります。
そうでなければ、既にそれら発信しているサロンとの差が開いていく一方です。
撮影やクリエイティブで現在の営業展開になったわけでは無いサロンが、ゼロから撮影という取り組みを始めるということは、自己満足の世界であれば自己完結として成り立ちますが、他人に伝播し、更に結果を出すにはこのデジタルの時代であっても簡単なことではありません。
数の論理であれば、ウケるものをリサーチして数多く拡散すると「このサロンはネットでよく見る」という安心感で人が集まるということをも望めますが、個人店の場合は独自の色。つまり、ここでしか得られない何かが欲しいところです。
ですが、この部分を怠ってしまうと、これからますます加熱していく様々な競争の中で勝ち残ることは難しくなるでしょう。
ここでの問題は、美容師がどう思っているか?ではなく、他人であるお客様がどう捉えるか?ということです。
だからこそ撮影をするのは良いと思いますが、その過程に重きを置いて先輩から後輩に”自店らしい色”というバトンを渡していく流れを作ることが教育になり、やがてサロンの文化になります。
すぐには結果は出ないかもしれませんが、少なくとも現状よりも良くなる可能性は高くなることでしょう。
なぜスタイル撮影をするべきなのか?
ここで大事になってくるのが、なぜスタイル撮影をするべきか?ということです。
大手の有名サロンはスタイル撮影を積極的に取り組み、技術やセンスを前面に押し出しています。
お店の外観や内装といったところにもしっかりそのサロンの色が出ていますし、何よりもスタッフの服装や容姿にも一定の統一感が見られます。
これらの連動性が近隣のライバル店との差となります。
どんな美容室を作りたいか?
つまり、私たちの色に共感していただけるお客様の層が見えている美容室は
お客様の「ここで切りたい!」という想い
美容学生や転職美容師の「ここで働きたい!」
という意思が明確のため、そのエリアでの人気店になる可能性が高くなり、お客様や美容学生、転職美容師から選ばれやすい理由にもなります。
それらを感じない、自分たちはできていると過信しているサロンはアフターコロナの世界ではより厳しくなっていくかもしれません。その理由はこのサロンである必要性が無い、もしくは薄いからです。
とは言え、急に撮影が得意なサロンになることはできるのか?
自己満足であれば、とにかく撮影をすれば良いのですぐに可能です。
他人の評価を得られたい場合は、過程を経ての準備が必要不可欠です。
撮影に必要なスキルが身につき、それを蓄積していく
そして、スキルを持った美容師として成長し、後輩たちから尊敬が集まるようになれば文化として根付いた証拠になります。
それによって、一定の評価が他人からも得れる可能性は十分にあります。
すべての人に共通していることは、同じ人間は存在しないという前回までのコラムでもお話しした内容ですが、その違うということが共通項なので、一人ひとりに合わせた施術、もしくは誰を切っても同じようになる。これもブランド展開としては色があるということになるため、他人には伝わりやすくなります。
発信した時に重要になるのがサロンとしての統一感
目の前の方の個性を見て、気付き、その方の顔のや頭の形、体に合ったカットやスタイリングをすることができれば、今よりも良くなるということです。それを撮影すれば施術前よりも見映えが良くなり、写真写りにも大きく影響します。
自分がどういった能力があるのかを知るには、客観視できる撮影という手法が最も効果的です。
そういった結果である写真を使った販促物(ホームページやインスタグラムを含む)は、自店の世界観をより明確に写真として打ち出せているはずなので、その存在感は一目瞭然です。
自店らしいモデルを使い、自店らしい施術をして、明確なコンセプトを打ち出す写真を完成させことが出来れば、自店のロゴを加えるだけで他人にも唯一無二の“らしさ”が伝わる可能性が高くなります。
自己満足との差はそこではないかと感じます。
あとはホームページやお店の看板、雑誌などと全てリンクさせていくことで、統一感が完成します。
そして、打ち出したイメージをスタッフと共有し、教育につなげることで、文化への道が続いていきます。
しかし、多くのサロンはこれらが難しいのです。
美容室は性質上、接客業としてスタッフを育てていくことになるので、お店や写真の雰囲気は良いが、技術職としては近隣のサロンとの差が分かりにくくなってしまうので価格勝負になってしまうことにも繋がりかねません。
サロンの誰かがそれを作り出し、発信することが出来ても、在籍しているスタッフ全員ができないことがサロンの最大の欠点と言えます。
ケーキ屋さんで例えると、在籍しているケーキ職人全員が全く同じ形をしたケーキを作ることができないということです。
10人いれば、10個とも形の微妙に異なるケーキが商品棚のケースに並ぶことになります。
サロンにおいても、発信した写真のスタイルを在籍する美容師全員が同じように切れる技術を持っているのかということになります。
ここ数年でヘアカタログが減少した理由は雑誌離れだけが原因ではありません。
似合わせカットができない美容師が多くなり、ヘアカタログや切り抜きを持参しても理想通りにならないことが増え、意味が無いことにお客様が気付いてしまったことが大きな原因です。
カットウィッグでコピーカットができなければ、一人ひとり異なる人頭に対しての似合わせは、不可能に近いのでは無いでしょうか。
ですから、切るという意思の前に、目の前の人に向き合うという意識が必要になります。
その結果、撮影をするのと、しないのとでは仕上がりの“クオリティ”という大きな差が出てしまい、発信した時に目立つのか埋もれるのかという差が生じてしまいます。
コロナと共に生きていく世界での発信
twitterやinstagramなどは広範囲の拡散には役に立ちますが、LINE@などでの発信は顧客に対して有効な手段になるので、行ったことの無いサロンに対しての不安を感じるアフターコロナの世界では、より顧客に対しての重きをおく必要があります。
新規はもちろん大事ですが、顧客に強いということはどの業界でも生き残る最良のベクトルです。
発信をする場合は確信を持ち、その準備の過程が、自店の可能性を広めることに必要な決め手となるのではないでしょうか?
今回も最後までご覧くださりありがとうございました。
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